根尾の淡墨桜


うすずみ桜という名にひかれて、根尾に出かけた。
「薄墨」と書くのかと思ったら、「淡墨」と書かれていた。

4月14日
きっと見頃に違いない。
誰しも思うことは同じなのだろうか、
淡墨街道を進むと、車が増えてきた。

そして、あと6kmというあたりから、車は進まなくなった。
こんなことなら歩いた方がいいんじゃないかと思うほどで、
同じ考えの人もいるらしく
道端に車を止めて歩き出す人もいた。

こんな調子でどこまで行こうか。
どこかに車を止めるところはないものか。
そんな問答を続けながら、とろとろとろとろ車を進めた。

結論から言えば、
一時間をかけて、6kmの道のりを進むことができた。

交通整理には、腰の曲がりかけた人がいたり、
駐車切符を渡してくれたのも、おばあちゃんといっても
叱られないくらいの女性だったりした。
にわか屋台も立ち並び、
村をあげての歓待だった。

淡墨桜1


この桜は、極めて写真写りが良い。
私たちが目にした桜は、葉がぼつぼつ開きはじめて、青ざめてみたのだった。
ここには写っていないけれど、
この淡墨公園には、よくもまあと驚くほど人が集まっていた。
この1本の桜を目当てに、これほどの人が集まるのだ。
私たちの目には、右手の桜の方が今を盛りと咲いて見えたのだが、
人は、この桜を一目見ようと集まってきているのだ。

淡墨桜2

大御所という言葉がある。
この桜は、大御所なのだ。
その証はいくつもある。
その一つは、「天然記念物 根尾谷淡墨桜」と題した石碑に記されている。
桜のの碑

 写真では読みにくいので、ポイントを拾ってみよう。

 樹齢1500年。
 枝の各所が折損して樹勢が衰えたので昭和24年に山桜の若根238本を根接ぎしたほか、種々の保護を加え回生を図った。
 現在 樹高17.2m 枝張り東西23.9m、南北21.2m、幹まわり9.1m。
 花の盛りは4月上旬である。

 今、思い出すことがある。
 参道で、腎臓移植をする人に対するカンパを集める団体があった。
 この淡墨桜も、多くの命に支えられて、今、こうしてあるのだと、つくづく思う。


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